夜帝女王
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とある温泉旅館での不可解な体験 その2
温泉宿パート2 続き

昨日までの続き

おバカさんな外人彼氏の誘いにホイホイ乗って、
東京のど真ん中のモダン和風旅館にやってきた私。

真夜中に2人で大浴場を占拠するために
忍び込んだはいいけれど・・・・・!?


私達は部屋を出て、部屋から2階ほど下にある
大浴場に私が先頭になって向かいます。

日本語がろくに話せない彼を先に行かせて誰かにでっくわしたら、
色々面倒な事になりそうですから。
夜も遅く、元々宿自体が小さくて暇なシーズンだったせいか、
お宿全体に人の気配はあまり感じられません。

私達はまるで泥棒よろしく大浴場に続く廊下までやってきました。
だいたい6m位先に、大浴場の入り口が見えます。

私は元彼を階段を降りた所の角の目立たない場所に立たせ、
大浴場に人がいないかどうか確認しようと、廊下を
抜き足差し足、こんなにコソコソしている客は居ないもんです。

そして大浴場の入り口に後4m程位の距離に近づいた所でしょうか、
どうやら大浴場には残念ながら先客が居るらしく、シャワーの
水音が聞こえてきました。

ああ、なあんだしょうがないな。案の定誰か居る。

私は心の中でそう思い、後ろの階段に立っている元彼に振り向いて
目配せをしました。どうやら彼にも先客が浴びている
シャワーの音が聞こえるらしく、私達は顔を見合わせてうなずきあいました。

とその時。キイキイとか摺れた音を立てて蛇口を
絞る音と共にシャワーの音がぴたりと止まりました。

ラッキー!!もしかしたら先にお風呂を浴びている人は
もうお風呂を終えて出るかもしれない。これで大浴場2人占め!

私は安直に心の中でぬか喜びしました。

その時です。大浴場から小柄な女の人が出てきました。
どうやらお風呂を終えてお部屋に帰るようです。

その女性は旅館の浴衣ではなく、真っ黒な髪の毛を
頭の上でお団子にして、丹前の上下を着ていました。
恐らく旅館の従業員の方でしょうか???

その女性は私達の計画を知ってか知らずか、とても愛想の良い
笑みを浮かべながら私に向かって会釈をすると、大浴場を出て右側の
廊下にある非常階段の方向に歩いて行きました。

ああ、なあんだ。あの女の人、私達に気を利かせてくれて
わざわざ非常階段を使ってくれたんだ。悪いことしちゃったかな。

私はそう信じて疑いませんでした。私の相方も女性が歩いていったのが見えたらしく、
あの女の人、もういないよね?と言いながら彼は少し興奮気味に私の直ぐ後ろにやってきてきました。

そして女の人が歩いていった非常階段の前を私横切ったとき、
私達は愕然としました。

何故なら・・・・。

非常階段のドアに続く廊下には椅子やら、宴会用に使う旅館の
備品などが山積みにされていて、倉庫代わりにずっと使われていたようなのです・・・・!!!

もちろんそこには人が簡単に通り抜けて非常階段のドアを開ける隙間なんて到底無いのです・・・!!!

幽霊でもなければ・・・・???

私はてっきりまだ先程の女性が非常階段辺りにいるかと思ったのですが、そこには人の気配なんて全く感じられませんでした。

私達は非常階段を見つめながら、正直狐につままれたような感じです。

そしてお互いの顔を見合わせながら、今のは絶対に気のせいだったんだよね、と
2人で言い聞かせ合いながら、大浴場に向かったのでした。

一体、あの女の人は誰だったの???

そして、この事件はこれだけではすまなかったのでした・・・・。


続く


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